クリーンエネルギー ETF 分析
今回は、今年大注目のクリーンエネルギーを深掘りしてみたい。昨年以降、電気自動車のTesla、水素燃料電池のPlug Powerが大ブレイク。この背景には、「2050年までに域内の温室効果ガス排出を実質ゼロ(気候中立)にする」という目標を打ち立てている、欧州グリーンディールや、次世代EUの中で積極的なクリーンエネルギーへの投資がある。またアメリカも、バイデン大統領がこの分野に対して積極的に投資を行うことを表明している。すなわち、欧州、米国による巨大な国策なのである。
Plug Powerのような個別銘柄投資もいいが、一社に独占されるわけでなく、また太陽光、水力、風力という幅広い分野があるために、ETFの活用を考えてみようというのが今日の目的である。今回は4つのクリーンエネルギーETFをみていきたい。
ICLN : iShares Global Clean Energy ETF
QCLN : First Trust NASDAQ Clean Edge Green Energy
PBW : Invesco WilderHill Clean Energy ETF
PBD : Inesco Global Clean Energy ETF
まず、ICLN : iShares Global Clean Energy ETFを見ていく。一番王道のETFである。まずPerformanceだが、1年で179%と素晴らしい上昇である。とくに、ここ1か月が42%の上昇率という驚異的な上昇である。
構成銘柄を見ていくと、Renewable Energyが45%を占めており、個別としては王道のPlug Power, Enphase Energyを主力として扱っている。
個別の過去1年のリターンを見ると。Plug Powerの1311%という圧倒的なPerformance、500%以上もDaqo New Energy, Doosan Fuel Cell, Enphase Energy, Sunrunの4銘柄ある。
次にQCLN : First Trust NASDAQ Clean Edge Green Energyを見てみる。ここ1年のPerformanceは223%、ここ1か月が33%とこれまた素晴らしいパフォーマンスをあげている。
構成をみていくと、Renewable Energyが34%、次に自動車関係が20%入っているのが、ICLNとの大きな違いである。構成銘柄としては、Teslaがトップで8.8%, Enphase Energy, Nioと続く。Plug Powerも5.5%入っている。
過去1年の個別パフォーマンスを見てみると、BLNK(Blink Charging)が2000%オーバー、続いてNIO, PLUG, TESLA, WKHS等が500%以上にいる。QCLNのPerformanceは、TESLA、ENPH、NIO、PLUGが大きく貢献している。来年に向けては、TESLA、NIOをどう考えるか次第かと。
次にPBW : Invesco WilderHill Clean Energy ETF をみていく。こちらも1年のPerformanceは250%, ここ1か月は36%と素晴らしい数字。
構成を見ていくと、Renewable Energyが38%, 次に自動車関連が12%入っている。個別銘柄を見ていくと、最大で3.3%のRenaSolaで、他はTesla含めてすべて構成比が3%以下であり、多数の銘柄に分散投資をしているのが最大の特徴である。
個別パフォーマンスをみていくと、QCLNのBLNKが圧倒的パフォーマンス。1.5%~2.5%のWeightで広く分散投資をしていて、好成績を稼ぎ出しているのが特徴的である、
そしてPBD : Inesco Global Clean Energy ETF。1年のパフォーマンスは、175%と優秀。ここ1か月は33%とこれまた優れたパフォーマンスを出している。
構成はRenewable Energyが33%。個別をみていくと、PBWよりさらに分散投資をしていて、すべての銘柄が2%以下の構成比に抑えられている。また、PBWはアメリカが85%wを占めているのに対して、このPBDは、アメリカが30%に抑えられ、中国、欧州、日本に幅広く分散しているのが特徴である。
個別パフォーマンスは、GPV(GreenPower Motor), NIO, SOL, PLUGが高パフォーマンス。一方で1%前後のWeightで銘柄が集中しているのがよくわかる。Globalに広く分散しているのがこのETFの特徴である。
さて、ICLN, QCLN, PBW, PBDの4つを見てきたが、1年間のパフォーマンスでいうとPBW, QCLNの2つがベスト。安定性でみると、ICLN, PBDというところか。QCLN
は、Tesla, Nioに左右されるリスクがある。僕個人としては、Tesla, Plug Powerは個別銘柄で投資をしていることもあり、その点からすると、QCLNは除外。ICLNは王道として残し、PBW, PBDはより幅広く銘柄をカバーし個別銘柄とのかぶりが少ない。二つなら、安定のICLNと、パフォーマンスのPBWを選択する。
Monexさんでは、PBW, PBD, ICLN, QCLNの4銘柄とも購入可能。楽天証券さんでは、PBW以外のPBD, ICLN, QCLNが購入可能です。